遺伝子で才能は決まるか?

遺伝子で才能は決まるか?

最近では子供の適正を遺伝子で調べるというサービスも出ています。
この検査で、学習の潜在能力や音楽、絵画、ダンス、運動能力の潜在能力がわかると言われています。

 

親としては、子供の才能を知り、個性に向いた方向に進めてあげたいと思うものです。

 

才能遺伝子5-HTT

 

才能遺伝子検査に関しては、ひとつの遺伝子が色々な評価に使われています。
5-HTTという遺伝子などは、神経の働きに関係しており、気質や感情への作用が研究によって明らかにされています。
具体的には、内向性、執着力、楽観性、コミュケーション力、美的感覚の判定に使われています。

 

例えば、記憶するという行為を考えてみましょう。
まず、記憶するために、集中力や理解力を使い、記憶を脳に入力する能力が必要なのです。

 

さらに、今度は、記憶したものを引き出す力が必要になります。
この能力がなければ、記憶しているとは言えないのです。
タンスにしまった洋服を出せなければ意味がないのと同じです。

 

このように、記憶という一つの能力でも、多数の能力を使っており、たった一つの遺伝子だけで判定するというのは無理があります。

 

音楽の才能だったら

 

音楽の才能があるかと思ったとき、
聴覚の遺伝子・記憶力の遺伝子・注意力の遺伝子・チャレンジ精神の遺伝子・執着力の遺伝子・関心の高さの遺伝子を調べる必要があります。

 

このうちの聴覚に関わる遺伝子でも、様々あるのです。
1つだけの遺伝子を調べても、聴覚全体の良し悪しが判定できるものでもないのです。

 

実際、どの遺伝子が音楽によい影響があるのかは、科学的に明らかになっていないのです。

 

絵画の才能を調べるなら

 

絵画の潜在能力があるかどうかについては、色覚異常に関する遺伝子を調べます。
色覚異常の遺伝子に変異がないとなると、次のように判定を組み立てます。

 

「色を見分ける力は絵画芸術ではとても重要」

「色を見分ける力が高い」

「芸術分野で大きな成果を収める可能性がある」

 

たった色覚異常の遺伝子に変異がないという事実です。
この色覚異常の遺伝子は男性は一つしか持っておらず、女性は二つ持っているのです。
二つあれば、一つに変異があっても色覚異常にはならないのです。

 

そのため、色覚異常は男性が女性より多いのですが、絵画の才能も女性のほうが高いとは思えないですね。

 

遺伝子検査で才能を見分けるなら

 

遺伝子検査で才能を見分けるなら、すべてを鵜呑みにしてはいけません。
特に才能に関しては、元々持っている才能と、後からの環境や、出逢いによる気づきとか、色々な要素が絡んできます。

 

遺伝子的には才能ありだとしても、本人が好きではないという場合もあります。
くれぐれも注意して、検査をしてください。

 

 

 

 


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